(もっ・ω・さん)ぶろぐ

自身の勉強したこと・興味があることをまとめておく場所。

2020年大阪大学理系第5問

今日はこの問題。

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2020阪大理系5

分野:数I(予選決勝法) ,数A(三角形の性質),(数I(三角比) or  数III(2次曲線))

難易度:普通+α ("計算ゴリ押し"なら,やや難)

解答時間:25分〜30分

 

数IIIの知識はなくても解けます。

(1)は,三角形ABCの形状を議論する必要があるでしょう。Vは三角形ABCがいずれの形状にせよ同じ値になります。Aが楕円周上にあることを見抜ければ楽ですが,そうでない場合は,少し計算がハードかも。およそ2変数関数の形をしているので,予選決勝法でしょうね。問題にあるようにaを固定(=a を定数と見做す)して,残りの1変数を動かします。2次式なので平方完成でしょう。

 

 

(2)は,決勝戦です。今度は(1)で固定していたaを動かして,max・minを考えます。

これも2次式なので平方完成です。

 

 

 

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2020年大阪大学理系第4問

今日はこの問題。

 

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2020阪大理系4

分野:数II(領域),数III(極限,積分)

難易度:普通

解答時間:25分

 

まずは,領域を図示しましょう。

結局t\to\inftyしてしまうので,tは十分大きい都合のいいものを用意しましょう。

交点は計算するのが面倒なので,文字で置きましょう。小さい方から\alpha,\,\betaとします。具体値が必要なら後で求めます。

 

S(t)は面積パズルです。三角形から余分な部分の面積を除きましょう。 

S(t)をtだけで表そうとするのが,ちょっと面倒です。

対称式や交代式がボロボロ出てくるので,解と係数の関係ですかね。\beta-\alphaは直接解を求めて引いた方があっさりでます。

 

極限計算はおまけみたいなもんです。分子の有理化をしたりなどの工夫はありますが,至って標準的な問題でした。

 

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2020年大阪大学理系第3問

今日はこの問題。

 

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2020阪大理系3

分野:数I(三角比),数B(数学的帰納法) or 数III(微分法)

難易度:普通

解答時間:20分

文系\fbox{3}とほとんど同じです。

 

 \angle{\mathrm{ABC}}=\thetaとおいて,与えられた条件を数式化していきましょう。2辺とその対角の情報がわかっているので,正弦定理を使うのは見えるでしょう。

ここまで来たらあと一息です。

 

 

 

n\in\mathbb{N}に関する証明なので,数学的帰納法を用いても良いですが,微分法を用いる方が何も考えなく出来ると思います。

 

 

 

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2020年大阪大学理系第2問

22:00更新は暫く大阪大学を続けます。

不定期に上げるものに関しては,その限りではありません。

 

 

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2020阪大理系2

分野:数A(確率),数B(数列),数III(複素数平面,極限)

難易度:やや易~普通

解答時間:20分 

これも完答でしょう。

 

 

複素数平面なんてあってないようなもんです。なので文系の人も解けると思います。最後の極限計算は置いといて,一般項を求めるまでは出来るはず。

 

確率変数が,X,Y,Zと3つも登場して,面倒臭そうですが,条件を一つ一つ整理していけば,さいころを投げて,出た目に応じて,点Pが正六角形の頂点を動いていくという試行に帰着出来ます。文系\fbox{2}のちょっと強いver.くらいのノリです。

 

 

(1)は特に言うことはないですが,どうしても分からなければ素朴に該当パターンをすべて数え上げてしまうのも手でしょう。

 

(2)もまぁなんてことないです。積の法則でバラして各回ごとにみていきましょう。

 

 

(3)は確率漸化式です。

確率を問われたらn回目で場合分け,場合の数を問われたら1回目で場合分け。

今回は前者ですね。

これは一般的には言えません。確率で1回目に場合分けするものもありますし,場合の数でn回目で場合分けするものもあります。なので,

問題毎に見極める必要があります。今回はn回目で場合分けします。

というべきでした。すみません。*1

 

 

 

 

*1:2020/03/03 追記

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2020年大阪大学理系第1問

今日は大阪大学をやっていきます。

 

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2020阪大理系1

分野:数学III(微分法) 

難易度:易

解答時間:10~15分

教科書の例題に毛を生やしたレベルです。これは完答以外ありえません。

 

\displaystyle  y=x^{\frac{1}{x}}のグラフをx軸方向に-1だけ平行移動したグラフになります。平行移動前のグラフは定番中の定番ですね。

微分は,対数微分法を用いれば良いでしょう。もしくは,f(x)=e^{\log f(x)}として合成関数の微分でしょうか。本質的にはどっちも同じなんですけどね。

 

少し高級ではありますが,2変数関数の合成関数の微分法を用いても出来ます。

一般に,\displaystyle z=f(x,\,y)(x,\,y)=(x(t),\,y(t))を代入した z=f(x(t),\,y(t))に対して,

\displaystyle \frac{dz}{dt}=\frac{\partial z}{\partial x}\cdot\frac{d x}{dt}+\frac{\partial z}{\partial y}\cdot\frac{dy}{dt}

が成り立ちます。

\partialの記号を初めて見るという方は,その変数以外は定数と見做して微分するという風に考えたら良いです。(詳しくは,偏微分を調べて下さい。)

このことを用いると, \displaystyle z=(1+x)^{\frac{1}{1+y}}について,

 \displaystyle \frac{\partial z}{\partial x}=\frac{1}{1+y}(1+x)^{\frac{1}{1+y}-1}\displaystyle \frac{\partial z}{\partial y}=(1+x)^{\frac{1}{1+y}}\log(1+x)\cdot\left\{-\frac{1}{(1+y)^{2}}\right\}であるから,

\displaystyle z=(1+t)^{\frac{1}{1+t}}\displaystyle z=(1+x)^{\frac{1}{1+y}}x=y=tを代入したものと見做せば,

\displaystyle \frac{dz}{dt}=\frac{1}{1+t}(1+t)^{\frac{1}{1+t}-1}\cdot 1+(1+t)^{\frac{1}{1+t}}\log(1+t)\cdot\left\{-\frac{1}{(1+t)^{2}}\right\} \cdot 1

\displaystyle \quad~  =\frac{1-\log(1+t)}{(1+t)^{2}}(1+t)^{\frac{1}{1+t}}

となって,t\mapsto xとすれば導関数は対数微分法で導出したものと一致します。

この計算は,f(x)^{g(x)}の形をした関数すべてに出来ます。

 

 (2)はHintがあるので,それを適用出来るように上手いこと変形すれば良いだけです。

発散するスピードは,(対数関数)<(多項式関数)<(指数関数) という感覚は持っておくと良いと思います。今回のHintは,\displaystyle \frac{(\text{対数})}{(\text{多項式})}\quadなので,0となるのも頷けるでしょう。

 

 (3)は,(1)と(2)のまとめです。

わざわざ小問に分けなくても良いんじゃないかと個人的に思いました。

 

 

今年の問題セットは,例年に比べるとかなり簡単なので平均点上がりまくるのではないかなと思います。文系の方も超絶易化と噂されるので,どうしてしまったんでしょうね。

 

 

 

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2020年九州大学理系第2問

2日続けて九州大学です。

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2020九大理系2

高次方程式と整数の融合問題ですね。

文系\fbox{3}の計算量マシマシver. といった感じでしょうか。

文系の方は入試演習として最適だと思います。

\omega絡みの問題かと思いきやそうでもないです。

 

分野:数学A(整数の性質),数学II(高次方程式)

難易度:普通+α〜やや難

解答時間:25~30分

 

(1)は直接代入して=0を解いても良いんですが,そんなことはしないでしょう。

\displaystyle x=\frac{1+\sqrt{3}i}{2}を根に持つような2次多項式x^{2}-x+1で,f(x)を割りましょう。実際に割り算して,(余り)=0で終了です。

p,\,qは実数で,\alpha虚数なら, p\alpha+q=0 \iff p=q=0というのを用います。

解答では,割り切れるとして,商を文字を用いて設定しています。

 

(2)は条件が5個と非常に多くて適切な処理をミスるとドツボに嵌りそうです。

また,a,\,bを求めて終わらないようにしましょう。方程式の解を求めるまでが問題です。

 

前半は,中国式剰余定理(CRT)を知っているとサクッと解けます。

知らなければ地道に互除法で不定方程式を解きます。

合同式を知っていると,記述が楽です。また,合同式のままでの処理が難しければ,ある程度処理してから不定方程式に戻すも良しです。*1

 

後半は,言うまでもなく解の公式で終わりです。

 

 

 

*1:僕に余力があれば後日,合同式のノートを作ります

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2020年九州大学理系第1問

今日は,九州大学

 

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2020九大理系1

 

分野:数学III(微分法)

難易度:普通

解答時間:15分

【接線は接点から始めよ】や【文字定数は分離せよ】

の名言の通りやればできる定番問題です。g(t)=aと分離して,グラフでの処理に落とし込みます。グラフを正確に描くためにt\to\pm\inftyや分母=0なるtにおけるg(t)の挙動もチェックしておきましょう。増減表の中に入れ込んでしまうと記述が楽です。

 

 

去年張り切りすぎたから今年は抑えめになったんですかね。

 

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