(もっ・ω・さん)ぶろぐ

自身の勉強したこと・興味があることをまとめておく場所。

2020年名古屋大学理系第3問

去年から始めた入試問題のTeX化ですが,全74題も打つと問題文だけでもかなり疲れました。今日は名古屋大の問題。

 

周期性絡みの問題なのかなと思いましたが,特にそんなことはなかったです。

 

f:id:mossanmathema:20200226231242p:plain

2020名大理系3

分野:数学III(微分法,積分法)

難易度:やや難

解答時間:30分

発想力メインなのかなという気が個人的にしました。f(x)やらg(x)は具体的に与えられず,抽象的なままの議論は受験生には厳しい気がします。

なにをやっているか分からなければ,条件を満たすような関数を具体的に考えて実験してみるのも良いかもしれません。例えば,f(x)=x^{2},\,g(x)=-2x

 

 

 

(1)は微分でしょう。合成関数の微分に注意してください。

(2)は(1)の利用です。[0,2π]と[0,π/2]を上手く結び付けれないかと考えます。

\displaystyle \int_{0}^{2\pi}=\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}+\int_{\frac{\pi}{2}}^{\pi}+\int_{\pi}^{\frac{3}{2}\pi}+\int_{\frac{3}{2}\pi}^{2\pi}とわけて変数変換すれば見えてきます。

(3)は突如g(x)が現れて戸惑いますが,(1)や(2)の結果をどうにか使えないか工夫すれば思いつくかなと。

本番で見かけると面食らうと思いますので,(1)は完答して(2)を少々取れれば良いんじゃないでしょうかね。ただ,今年の名古屋大の問題セットはどの問題も手を付けづらいものばかりなので,落としてはいけない所を落とさなければ合格圏に入れるのではないでしょうか。

 

 

続きを読む

2020年北海道大学理系第1問

今年はほぼ半日Twitterに張り付いて問題を入手したので,TeX打ちが25日のうちに大半終わりました。いつもの如く大問ごとに解説していくことにします。いずれ記事が増えてきたら,引用して利用しやすいようにします。

 

f:id:mossanmathema:20200226025638p:plain

2020北大理系1

分野:数学B(平面ベクトル)

解答時間:10~15分

難易度:易(教科書の章末問題程度)

 

 

(1)は余弦定理を使うことをまず思いつきましたが,ベクトルの問題なのでベクトルのまま処理すればよかったと後で思いました。*1

\overrightarrow{\mathrm{BC}}=\overrightarrow{\mathrm{AC}}-\overrightarrow{\mathrm{AB}}(始点を変えたら後-前)ですよね。

TeX打ちはコピペすれば楽が出来るのでわざわざ置き換えませんでしたが,実際の答案では, \overrightarrow{\mathrm{AB}}=\overrightarrow{b},~\overrightarrow{\mathrm{AC}}=\overrightarrow{c}と1文字で置くほうが見易いし書くのが楽でしょう。

 

(2)は,直角⇔内積=0の利用です。直径に対する円周角は直角でした。

 

(3)は,共線条件(係数の和=1)の利用です。

 

*1:はじめ打ち間違えをして\left|\overrightarrow{\mathrm{AC}}\right|=\sqrt{2}としていたので答えが汚くなって困りました。

続きを読む

2019年東北大学理系第1問

今日はこちらの問題。問題文は短いので,問題文から得られる情報が少ないです。

さてどうしましょう。

 

f:id:mossanmathema:20200131150402p:plain

2019東北大理系1

接線は,接点から始めるのでまずは接点を設定しましょう。

曲線y=f(x)上の点(a,f(a))における接線の方程式は,「y-f(a)=f'(a)(x-a)」でした。

また,2直線の直交条件は,「傾きの積=-1」。

傾きはcosになるので, cos(a)・cos(b)=-1となるa,bを求める必要があります。

ここの処理がこの問題を完答できるかどうかの境目でしょう。

 

 

 

 

 

続きを読む

2019年九州大学文系第1問

今日はこちらの問題。

f:id:mossanmathema:20200130235846p:plain

2019九大文系1

 

 

確率(反復試行),常用対数に関する基本的な問題です。

「Aはn桁である」をどう数式に訳すか。

対数をちゃんと知ってたら問題ないですね。

確実に取れてほしいところ。log_{10}(2)やlog_{10}(3)の値は問題を解き慣れている人からしたら覚えてますよね。常用対数絡みの小数計算は,正確にやるのはダルいですが,見当を付けるには雑な計算で問題ないと思います。

 

 

続きを読む

2019年大阪大学理系第1問

二次試験まであと1ヶ月くらいということで,去年の入試問題をちょこちょこと載せていこうと思います。4月からは数学を教える仕事に就けるので,ボケ防止の意味もあります。やはり数学ってのは毎日少しでも触れてないと忘れてしまいますね。

 

f:id:mossanmathema:20200129230917p:plain

2019阪大理系1

 

(1)と(2)は基本的な問題です。(3)は(2)の不等式が使えないかなと考えればこの変形は思いつくのかなと。直接求められない極限は,十中八九はさみうちを使います。問題文が長いと見るのが嫌になってしまいますが,同時に与えられる情報が多いということも頭の片隅においておくと良いかもしれません。

 

続きを読む

Charge Spotを利用してみた

 

Charge Spotというものを知っているだろうか?

最近,福岡市でも導入されたモバイルバッテリーをレンタル出来るというシステムだ。

f:id:mossanmathema:20190902132539j:image

価格は1時間以内に返却だと150円,

1~48時間以内に返却だと300円,

48時間を超えると返却不要で2280円を払うことでバッテリーを買い取る形になる。

 

いつもはモバイルバッテリーを持ち歩いてる私だがその日に限って忘れてしまったので,存在だけは耳にしていたCharge Spotを利用することにした。

 

レンタル方法はいたって簡単。

① アプリをインストールする。

②決済方法を決める。(クレジットカード or LINE Pay)

③Charge Spotに表示されているQRコードを読み込む。

 

これだけ。福岡では天神,博多付近に多数存在しているので貸出場所と返却場所に関しては困らない(はずだが貸出場所を探すのにかなり掛かった)。

 

いくつかの場所は営業時間が決まっているので夜遅めの利用は結構キツかった。(30分くらいスポットを探し回った。というのもアプリに表示される情報と実際にスポットに表示される情報が異なっていたため。)

 

3箇所くらい回ってようやく貸出可能のスポットを見つけた。実際にレンタルしたのがこちら。

f:id:mossanmathema:20190915234502j:image

なかなかスマートなシルエットである。とても薄く持ち運びもし易い。バッテリー容量はiPhoneを2回フル充電出来る程である。

 

 

返却する際は,返却可能スポットに差し込むだけでOK。

すると,アプリが次のような画面になる。

f:id:mossanmathema:20190915235257p:image

これで完了。感想としては,アプリが使いづらいので,ブラッシュアップが行われるのを期待。バッテリーとしてはとても良かった。また利用するかと言われると,暫くは良いかなと答えると思う。

 

微分方程式①

こんにちは。過去に後輩に工学系の院試対策に,微分方程式のノートを作ったことがあるのですが,それ以外に使い道がなく眠っていたのでここで供養させて下さい。

 

学部の頃は微分方程式を専攻したかったのに,気付いたら量子力学やってた。

人生何が起こるか分かりませんね。

 

今回扱うのは,

 y''+P(x)y'+Q(x)y=R(x)という形をした変数係数2階線型非同次微分方程式です。

ここで,yxの関数です。 

 

用語のキモチを少し。

2階: y''が登場する。 n階と書けば,n導関数y^{(n)}が登場すると思って下さい。

線型:微分方程式に線型性(=和とスカラー倍で閉じてる)がある。当然その解にも線型性は遺伝します。

非同次:右辺にR(x)みたいな0でないxの関数がいる。