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2020年大阪大学理系第1問

今日は大阪大学をやっていきます。

 

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2020阪大理系1

分野:数学III(微分法) 

難易度:易

解答時間:10~15分

教科書の例題に毛を生やしたレベルです。これは完答以外ありえません。

 

\displaystyle  y=x^{\frac{1}{x}}のグラフをx軸方向に-1だけ平行移動したグラフになります。平行移動前のグラフは定番中の定番ですね。

微分は,対数微分法を用いれば良いでしょう。もしくは,f(x)=e^{\log f(x)}として合成関数の微分でしょうか。本質的にはどっちも同じなんですけどね。

 

少し高級ではありますが,2変数関数の合成関数の微分法を用いても出来ます。

一般に,\displaystyle z=f(x,\,y)(x,\,y)=(x(t),\,y(t))を代入した z=f(x(t),\,y(t))に対して,

\displaystyle \frac{dz}{dt}=\frac{\partial z}{\partial x}\cdot\frac{d x}{dt}+\frac{\partial z}{\partial y}\cdot\frac{dy}{dt}

が成り立ちます。

\partialの記号を初めて見るという方は,その変数以外は定数と見做して微分するという風に考えたら良いです。(詳しくは,偏微分を調べて下さい。)

このことを用いると, \displaystyle z=(1+x)^{\frac{1}{1+y}}について,

 \displaystyle \frac{\partial z}{\partial x}=\frac{1}{1+y}(1+x)^{\frac{1}{1+y}-1}\displaystyle \frac{\partial z}{\partial y}=(1+x)^{\frac{1}{1+y}}\log(1+x)\cdot\left\{-\frac{1}{(1+y)^{2}}\right\}であるから,

\displaystyle z=(1+t)^{\frac{1}{1+t}}\displaystyle z=(1+x)^{\frac{1}{1+y}}x=y=tを代入したものと見做せば,

\displaystyle \frac{dz}{dt}=\frac{1}{1+t}(1+t)^{\frac{1}{1+t}-1}\cdot 1+(1+t)^{\frac{1}{1+t}}\log(1+t)\cdot\left\{-\frac{1}{(1+t)^{2}}\right\} \cdot 1

\displaystyle \quad~  =\frac{1-\log(1+t)}{(1+t)^{2}}(1+t)^{\frac{1}{1+t}}

となって,t\mapsto xとすれば導関数は対数微分法で導出したものと一致します。

この計算は,f(x)^{g(x)}の形をした関数すべてに出来ます。

 

 (2)はHintがあるので,それを適用出来るように上手いこと変形すれば良いだけです。

発散するスピードは,(対数関数)<(多項式関数)<(指数関数) という感覚は持っておくと良いと思います。今回のHintは,\displaystyle \frac{(\text{対数})}{(\text{多項式})}\quadなので,0となるのも頷けるでしょう。

 

 (3)は,(1)と(2)のまとめです。

わざわざ小問に分けなくても良いんじゃないかと個人的に思いました。

 

 

今年の問題セットは,例年に比べるとかなり簡単なので平均点上がりまくるのではないかなと思います。文系の方も超絶易化と噂されるので,どうしてしまったんでしょうね。

 

 

 

 

答えはこちら。

 

 

 

P.S. 問題を解くよりも,emathでグラフを描く方が圧倒的に難しかったです。

明日は第2問をします。